【最新の研究】妊娠中の○○は胎児の脳の発達に悪影響を与える可能性がある

エモリー大学公衆衛生大学院(Rollins School of Public Health)の研究チームが主導(ノースカロライナ大学チャペルヒル校およびコロンビア大学と共同)で行った新たな研究結果です。

妊娠中に日常的に使用される製品に含まれる

フタル酸エステル(phthalates)への曝露(※)が、

新生児の代謝や脳の発達に影響を及ぼす可能性があることがわかりました。


有害な物質にさらされること(皮膚接触、経口接触、吸入など)


🧪 フタル酸エステルとは?

フタル酸エステル(phthalates)は、プラスチックを柔軟にするための可塑剤です。

シャンプー、石鹸、洗剤、食品包装など、日常的に使用される製品に広く含まれています。


以下参考まで

画像
⚠️ 注意点 「フタル酸フリー」「不使用」表示のある製品も増えてきました。 子ども向け製品(おもちゃ・哺乳瓶など)には国際的に使用規制があります(日本でも厚労省が規制)。 成分表には「phthalate」「DEP」「DBP」などの表記で登場しますが、香料に含まれる場合は「fragrance」や「香料」とだけ書かれて詳細は非公開なことも多いです。

👶 妊娠中の曝露が新生児に与える影響

エモリー大学の研究チームは、

妊娠中の母親の血中フタル酸エステル濃度と

新生児の代謝および脳発達との関連を調査しました。

  • 気分の不安定、集中難、頭がうまく働かない
    妊娠中の母親の血中フタル酸エステル濃度が高い場合、新生児の血中において、チロシンやトリプトファンの代謝に関連する神経伝達物質の前駆体が低下していることが確認されました。「前駆体(ぜんくたい)」とは「セロトニン」「ドーパミン」「ノルアドレナリン」など、脳の中で気分や集中をコントロールする“伝言役”になる物質(=神経伝達物質)をつくるための原料・もとになる物質のこと。
  • 情報処理能力と覚醒度の低下:高いフタル酸エステル曝露は、新生児の情報処理能力(頭の回転が遅くなる/考えるのが苦手になる)や覚醒度(ぼーっとしやすくなる/やる気が出にくくなる)に関連する生物学的変化とも関連していました。

これらの結果は、妊娠中のフタル酸エステルへの曝露が新生児の代謝や脳の発達に影響を与える可能性を示唆しています。


🧬 研究者の見解

研究の筆頭著者であるスーザン・ホフマン氏は、

「母親のフタル酸エステルへの曝露が新生児の代謝に影響を与えることを示した初めての研究であり、

これらの生物学的変化が新生児の発達に影響を与える可能性がある」と述べています。

また、共同著者のドンハイ・リアン氏は、

「フタル酸エステルは胎盤を通過し、

胎児の生物学に影響を与える可能性がある」と指摘しています。


🔍 今後の研究の方向性

研究チームは、

胎内でのフタル酸エステルへの曝露が

子どもの脳の発達にどのような影響を与えるかを理解するため、

出生後も追跡調査を行う必要があると述べています。


必要以上に怯えることはないですが

こういうリスクは存在するということを念頭に置くことは大事ですし、

こういった積み重ねが製品開発の精度向上に繋がるのでしょうね。